みなさんこんにちは。
京王井の頭線 吉祥寺駅より徒歩3分、吉祥寺にある歯医者 吉祥寺おとなこども歯科・矯正歯科です。
「歯の神経を抜くデメリット」と検索される方の多くは、
「本当に神経を抜かないといけないのか」
「抜いた後この歯は将来どうなるのか」
「抜かずに済む方法はないのか」
と、不安を抱えながら情報を探している印象があります。
歯の神経は一度失うと元に戻らないため、抜くと聞くだけで怖く感じる方も多いはずです。
この記事では、神経を抜く必要が生じる状況、神経を抜くメリットとデメリット、
そしてデメリットを最小限にするための方法まで、やさしい言葉で丁寧にまとめました。
「治療の必要性を正しく理解してから判断したい」と思っている方、
「家族にも歯を大切にしてほしい」と考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
1 歯の神経を抜くとどうなる?歯の神経を抜く可能性のある症状や状況
歯の神経を抜く処置(抜髄)は、歯を残すための治療の一つですが、慎重な判断が必要です。
まずは、どのようなときに神経を抜く必要が出てくるのかを整理します。
■ 抜髄が必要になる主な症状
結論(Point):
歯の神経を抜く必要があるのは、神経が細菌に感染し、自然には治らない状態まで進んだときです。
理由(Reason):
むし歯が深くなると、細菌が神経に入り込み、強い炎症(歯髄炎)を起こします。
歯髄炎は一度進行すると自然回復が難しく、痛みや腫れを繰り返すようになります。
具体(Example):
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冷たいものにしみる段階 → 神経を残せる可能性あり
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温かいものがしみる → 約8割で神経保存が難しい
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何もしなくてもズキズキ痛む → 多くの場合で抜髄が必要
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噛むと響く、歯ぐきが腫れる → 神経が壊死している可能性が高い
結論(Point):
痛みや腫れが強いときは、早期の診断が歯を守るポイントになります。
■ 抜髄が必要になる具体的な状況
【1】深いむし歯(C3)
むし歯が神経に到達すると、約9割のケースで抜髄が必要となります。
【2】歯の亀裂
噛みしめや歯ぎしり、強い衝撃で歯にヒビが入ると細菌が神経に到達し、保存が難しくなります。
【3】外傷
転倒やスポーツの衝撃で前歯を強打すると、数ヶ月〜数年後に神経が壊死することがあります。
【4】詰め物の下のむし歯
金属の詰め物の下でむし歯が進行し、気づかないうちに神経まで到達するケースもあります。
■ 神経を抜いた後に起こる変化
神経を抜くと、
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痛みは改善する
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感染は止まる
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栄養が届かなくなり歯が脆くなる
-
むし歯に気づきにくくなる
-
時間の経過とともに色が暗くなる
といった特徴があります。
とくに「歯が脆くなる」「むし歯に気づきにくい」という点は重要なポイントです。
2 歯の神経を抜くメリット
メリットもはっきり存在します。
■ 激しい痛みが改善する(PREP法)
Point:
抜髄の最大のメリットは、激しい痛みが改善することです。
Reason:
痛みの原因である炎症を起こした神経を取り除くため、症状が落ち着きます。
Example:
夜も眠れないほどの痛みや、温かいものを口にしたときの激痛も治まりやすくなります。
Point:
痛みから解放されることは、患者様にとって大きなメリットです。
■ 感染の拡大を防ぐ
放置すると根の先に膿が溜まり、骨が溶けたり顔が腫れたりすることがあります。
抜髄はそれを未然に防ぎます。
■ 歯を抜かずに済む場合もある
炎症によって根の先に病巣ができている場合、神経を取り除き消毒することで歯を残せる可能性が高まります。
3 歯の神経を抜くデメリット
ここからが患者様が特に気になる部分だと思います。
デメリットを丁寧に解説します。
■ デメリット① 歯が割れやすくなる
Point:
神経を抜いた歯は、神経のある歯に比べて約2~3割ほど脆くなります。
Reason:
栄養供給がなくなることで歯が乾燥し、強い力が加わると割れやすくなるためです。
Example:
神経を抜いた歯が10年以内に割れてしまう割合は、約1〜2割とされています。
Point:
割れると抜歯が必要になるケースも多いため、注意が必要です。
■ デメリット② むし歯に気付くのが遅れる
神経がないため、むし歯が進んでも痛みが出ません。
その結果、気づいたときには大きく進行していることもあります。
■ デメリット③ 根の病気が再発する可能性がある
根管治療はとても繊細で、完全に細菌を取り除くことが難しい場合があります。
そのため再発率は約2~3割とされ、再治療が必要になることがあります。
■ デメリット④ 色が暗くなる
時間の経過とともに歯の色が茶色〜黒っぽくなることがあります。
前歯では審美的な悩みにつながることがあります。
■ デメリット⑤ 噛む感覚が変わる
神経がない歯は、噛む力の感覚が弱くなります。
その結果、気づかないうちに歯に強い力をかけてしまうことがあります。
4 歯の神経を抜く場合の、デメリットを軽減する方法
デメリットがあるからこそ、できる限り負担を減らす工夫がとても大事です。
■ 方法① マイクロスコープによる精密根管治療
Point:
治療の質を最も左右するのは「どれだけ根の中を丁寧に清掃できるか」です。
Reason:
肉眼では見えない部分に細菌が残ると再発原因になるため、拡大視野が重要です。
Example:
マイクロスコープで視野を20倍程度に拡大することで、細菌の取り残しや小さな根の見落としを防ぎやすくなります。
Point:
精度の高い治療は、歯の寿命を長くすることにつながります。
■ 方法② 被せ物による補強
神経を抜いた歯を守るためには、
セラミックなどの被せ物で補強することがとても重要です。
■ 方法③ 定期検診でのチェック
神経を抜いた歯はむし歯に気づきにくいため、
3〜6ヶ月の定期検診 が強く推奨されます。
■ 方法④ 噛みしめ・歯ぎしり対策
ナイトガードで負担を減らすことで、歯が割れるリスクを抑えることができます。
5 まとめ
歯の神経を抜く治療は、
「痛みを取り、歯を残すために必要な処置」である一方、
「歯が脆くなる」「むし歯に気づきにくくなる」などのデメリットも存在します。
しかし、
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精密な根管治療
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適切な被せ物
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定期検診
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噛みしめ対策
を行うことで、神経を抜いた歯でも長く保つことは十分可能です。
不安なことがあれば、遠慮なくご相談いただければと思います。
吉祥寺おとなこども歯科・矯正歯科では24時間WEB予約を行っております。
何か気になる点がございました方は以下からご予約ください。
https://reservation.stransa.co.jp/266c34454fa9728e8b09eb53f5c18927
監修者:
医療法人社団名月会
理事長 山口昌良